2005年10月27日

敬語の本質&英語では・・・ − 英語あれこれ雑記帳

第24の気づき:英語における敬語で敬語は「敬意を表すのではなく、心理的な距離を表す」と書きました。
#まだ読んでいらっしゃらない場合には是非お読み下さい!

敬語についてもう少し補足したいと思います。

敬語や丁寧な言葉(politeness)は、正しい距離を取るための方法の1つに過ぎません。

「正しい距離の取り方」のことを言語学(語用論)では appropriateness(訳語は「適切さ」なのかな・・・?)と言います。


日本語では敬語(尊敬語、謙譲語、丁寧語)を使って距離をはかることが多いです。

しかし、英語には敬語というものはありません。
距離を取る場合には日本語とは違うやり方で行います。

また、それだけでなく、距離を取るタイミングも違います。
これには文化的な違いも大きいのですが。

日本語は人やものの関係がとても重要な言語です。

例えばですが、相手がいないと自分のことを指す言葉が決められません。

男性の場合ですと、相手によって「私」だったり「俺」だったり「僕」だったり、自分の子供に対しては「お父さん」、見知らぬ子供に対しては「おじさん」、可愛い妹に対しては「兄ちゃん」などと言葉が変わりますよね。

しかし英語だと、どんな状況でも自分のことを "I" と指し示すことができます。

それと似ているのですが、人と何気ない会話(例えば天気の話)をするときにも、日本語では相手との距離がわからないと言葉を選べません。

「今日はいい天気ですね。」

と言うのか、それとも

「今日はいい天気だね。」

なのか。


ですが、英語ではどんな人間(以外も含んだって問題ありませんが)が相手でも

It's fine today.

と言ってしまって問題ありません。「適切」です。


では、英語ではどういう場合に相手との距離を考えないといけないのでしょうか?

それは「相手に対して力が及ぶ」場合です。

例えば
・何かをお願いする。
・間違いを指摘する。

こういったことをする場合には、相手との正しい距離を取るように心がけないと失礼に当たります。

ではどうやって距離を取るかといいますと、これは多くの言語で共通な気がするのですが
・疑問形
・過去形
・婉曲
です。


例えば窓を開けて欲しいときに

 Open the window, please.

というのか

 Will you open the window, please?

というのか

 Could you open the window?

というのか

 Would you mind opening the window?

というのか

 I wonder if you wouldn't mind opening the window.

というのか

 I was wondering if you could probably open the window.

というのか、はたまた

 It would be nice to have some fresh air, wouldn't it?

というのか。

どの言い方が適切か、ということは状況によって違います。
頼む相手によって、頼む内容などによって違います。

普通であれば Could you? とか Would you mind? レベルの表現で充分丁寧ですが、絶対に大丈夫ということではありません。


言いたいことをまとめますとこういうことです。

・日本語では常に相手との距離を意識する必要がある(そのために敬語を使う)

・英語では相手に力が及ぶ場合にだけ距離を意識すればいい

・日本語でも英語でも疑問形、過去形、婉曲で距離を取る


P.S.
日本語では「丁寧な言葉」と言ったときに敬語が強調される(一人歩きする)ことが多いように思います。

敬語を使ってはいても
・疑問形
・過去形
・婉曲
をうまく使えないと結局それは失礼に当たるのですが、そこをあまり気にすることの出来ていない人って結構いるように感じます。
step.png
posted by ロイ at 21:18 | Comment(0) | TrackBack(1) | 英語あれこれ雑記帳
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