2005年10月26日

第24の気づき:英語における敬語 − 50の気づき(3)

Q.英語に敬語はありますか?

A.ありません。代わりに"Could you...?"などの表現で丁寧さを表せます。



典型的な回答だと思いますが、これを読んでどう思われますか?

「その通り」と思いますか?
「よくわからないけど、へぇ、そうなんだ」という方もいらっしゃるでしょう。


しかし!!!

それ以前に「敬語」って何ですか?


国語で「敬語には尊敬語、謙譲語、丁寧語の3種類がある」とおそらく習いますよね。


じゃあ・・・


丁寧語っていつでも丁寧なんですか!?

尊敬語っていつでも尊敬を表すんですか!?



そんなことはありません。

いつも「おはよう」と言い合う仲の人が、ある日突然あなたに向かって

  「おはようございます」

なんて言い始めたら全然丁寧じゃないですよね。

むしろ、よそよそしい。


つまり、敬語と言われている言葉は、

敬意を表すのではなく、心理的な距離を表すのです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

目上の人や親しくはない人に対して心理的な距離をきちんと置くことが敬意を表すことになるのです。

親しい人に対して距離を置いたら、それは敬意などではなく疎遠なだけ。


敬語というのはですね、人との距離の取り方における方法の1つでしかありません。

他にも断定や押しつけを避けることでも距離を取ることができます。

どこの言語・文化でも、他人との間に正しい距離を取ることが求められます。

距離が近すぎると「馴れ馴れしい」、遠すぎると「よそよそしい」などと思われてしまうものです。

例えばフランス語やドイツ語などでは二人称に二種類の言葉があります。
フランス語だとvous、tu
ドイツ語だとSie、du

一般的に親しいtu/duとを使い、そうではないとvous/Sieを使いますが、これも全く同じ仕組みです。

親しくない人に対していきなりtu/duと言うのは「お前」と呼んでいるのと同じようなものです。


最初の質問に戻ります。
では、英語ではどうやって距離を取るのでしょうか?

大きなものを2つ紹介しますと、1つは疑問文、もう1つは過去形です。

 Pass me the salt.「塩取って」

という命令文の代わりに

 Will you pass me the salt?

のように意思を訊ねるという形を取ったり、

 Can you pass me the salt?

のようにできるかどうかを聞いたりすることで押しつけを避けるわけです。

さらに過去形にして

 Would you pass me the salt?

 Could you pass me the salt?

といえば、疑問文と過去形の両方使っているからさらに距離を置くことができ
ます。


過去形を使うのは別にお願いするときだけとは限りません。

 I thought you were going out tonight.
 「今夜は出かけるんだと思っていた。」

のように過去形にすることで断定を避けるのは日本語も全く同じですね。


----------------------------------------------------------------------
[ポイント]

◇敬語は心理的な正しい距離を取るための方法。

◇英語では疑問文と過去形で相手との距離を取る。


----------------------------------------------------------------------
[さらに突っ込んで・・・]

日本語と英語で距離の取り方がどう違うか、さらに詳しく書きました。

興味のある方はこちらをご覧ください。→「敬語の本質&英語では・・・」
step.png
posted by ロイ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 50の気づき(3)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。