2005年04月05日

アメリカス事情その8<多分最終回の巻> − 留学エッセイ(アメリカス事情、ほか)

1999年に入り、4月も終わりに近づいた頃、故郷である北海道に旅行する機会があった。

というのも、祖父母の金婚式の祝うために親戚一同が長沼温泉という所に集結したのである。念のために言っておくと金婚式というのは結婚50周年のことで、祖父によるとあともう少しで金婚式、という時に逝ってしまう人が多いらしい。

その温泉に行ったのは土曜日なのだが、週末には飛行機の運賃が高くなる(割引率が低い)ので、木曜日のうちに千歳へ飛び、余市の祖父母の家へ行った。余市といっても知っている人はわずかだろう。小樽から西に30〜40分車で行くとある、海沿いの田舎町である。

少し紹介しておこう。この余市町から特に有名な人が二人出ている。

一人は宇宙飛行士の毛利衛(まもる)さん、もう一人はスキーのジャンプの金メダリスト船木選手である。またニッカウヰスキーでも有名である。

これだけ有名なものがあればもう少し知られていてもよさそうなものだが、残念ながら余市の知名度はそれほど高くない。
(さらに北海道人でないと大抵アクセントを間違って発音してくれる。)

余市の海岸線で車に乗っている時に、窓からパチンコやカラオケボックスを見ながら、ふと思い立ったことがあり、試しに母に聞いてみた。

「余市って田舎町だよねえ。」

返事は期待通りであった。自他共に認める田舎町の余市である。

ということは!

さらに質問してみる。

「娯楽の場所って何がある?」

さっき見たとおり、パチンコあり、カラオケあり。またボウリング場もあると言う。映画館は昔は二ヶ所あったそうなのだが、両方とも潰れてしまったらしい。映画館があれば完ぺきだったのだが、潰れてしまっていたとは残念である。しかし、それだけあれば十分だろう。余市”町”を見て「何もない」などと言うような人間は誰もいない。何が言いたいか。

やはりアメリカス”市”は何もないド田舎だ。

(これは1999年4月28日に執筆したものです。)
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