2005年05月16日

第2の気づき:訳の限界 − 50の気づき(1)

あなたは英語をどうやって理解しますか?
いちど日本語に訳しますか?それとも英語のまま理解できますか?


「英語のまま理解したいけど、日本語に訳してみないと心配だ。」

という方はいませんか?
あ、手を挙げている方がちらほら・・・

ブログのタイトルに「気づき」と入ってることだし、その名に負けぬよう、
英語を日本語に訳すことの限界を感じていただきましょう。

日本語を英語に訳すという逆の例ですが、次の3つの文を見て下さい。

・私は10才です。
・僕は10才だよ。
・俺は10才だ。

これらの文はそれぞれ含みが違いますね。


しかーし!

これを英語に訳してしまうとすべて

I am 10 years old.

になってしまうのです。


例えば、日本語を勉強しているカナダ人がいて、上の3つの文を全部
I am 10 years old.
という英語に置き換えて「理解」しようとしていたとします。

あなたはそれを正しい方法だと思うでしょうか?

「そんなやり方じゃ、だめさー」(なぜか語尾が沖縄風)
とツッコミたくなりませんか?

3つとも基本情報は「自分が10才である」ことですが、それ以外にも伝わる
事柄があるはずです。それを無視する(せざるを得ない)のが訳すという行為
なのです。

では、ここで問題です。

Q.日本のとある有名な本が英語に訳されています。題名は「I Am a Cat」です。原題は何でしょうか?






ピーンと来た方、いらっしゃいますよね?


答えは夏目漱石の「我が輩は猫である」です。



あの名作がな、な、な、なんと「I Am a Cat」ですよ!

信じられなくないですか。そう思うのは私だけ?違いますよね?

別に「僕は猫なんだ」でも、藤子先生のプロゴルファー猿流に「ワイは猫や」
でも英語だと全然変わんないんですよ。

仮に私が「ボクは猫なんだニャン」という絵本を出したとしたら、それも
「I Am a Cat」
になってしまいます・・・そんなの夏目漱石に失礼だ。


「I Am a Cat」


この味気なさが訳すことの限界を如実に表しているのです。



----------------------------------------------------------------------
[ポイント]

◇訳してしまうと味気ないっすよ



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≪あとがき≫

ごめんなさい。「我が輩は猫である」を”あの名作”と書きましたが、読んだことありません。

切腹。
step.png
posted by ロイ at 07:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 50の気づき(1)
この記事へのコメント
こんばんは。
メールマガジン購読を始めて間もないですが
いつも楽しく拝見しています。

メールマガジンを読んで、投票してみようとしたのですが、
「ログインしないと投票できません」というメッセージが出て投票できませんでした;
ここに書き込んでしまっていいのか迷ったのですが、書き込んじゃいますね。すみません。
私は、「つい訳してしまう」です。

ロイさんの文章はテンポがよくて、読みやすくて
すきです。
陰ながら応援してます。
これからもがんばりすぎないようにがんばってくださいね。
Posted by EI at 2005年05月16日 23:42
>EIさん
うれしいコメントをどうもありがとうございます。m(_ _)m
100回くらい読み返してしまいそうです。

投票はYahooのアカウントがないとできないみたいですね。
ごめんなさい、知りませんでした。
EIさんのご意見はちゃんと投票に加えさせて頂きます。
Posted by ロイ at 2005年05月17日 18:45
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