あまりスポーツには詳しくないあなた。
でも、ワールドカップやオリンピックといった大きなイベントは少しだけ気に
なります。
サッカーワールドカップの決勝はイタリアがPKの末に勝ったと聞きましたが、
今ひとつわからないことが。
そこで、サッカーマニアの同僚に質問します。
"I heard that Zidane was sent off the ground and Italy won the World
Cup. But what happended?"
(ジダンが退場になって、イタリアが勝ったって聞いたけど、何があったの?)
"Well, Zidane head-butted Materazzi in the chest."
(うんとね、ジダンがマテラッツィの胸に頭突きをかましたんだよ。)
[解説&用例&応用]
頭突きをすることは head-butt という動詞で表現できます。
(ハイフンはつけなくてもOKです。)
ストーリー中の表現は「胸に頭突きをした」ですが、英語では
head-butt 〜's chest
という言い方はせず、
head-butt 〜 in the chest
という風に、目的語には人を持ってきますので注意して下さいね。
例えば、「顔に」という場合には"in the face"を使い、
"I couldn't believe it! He suddenly head-butted me in the face!"
(信じられないよ。いきなり顔に頭突きしてきやがった。)
といった使い方ができます。
なお、これは head-butt だけじゃなく、hit(叩く)とか kick(蹴る)、
shoot(撃つ)など、何でも同じです。
hit 〜 in the eye(目を殴る)
kick 〜 in the stomach(腹を蹴る)
shoot 〜 in the head(頭を撃つ)
などなど・・・物騒な表現ばかりでごめんなさい。m(_ _)m
[おまけ]
ジダンのせいで(?)、ちょっと物騒な表現が多くなってしまいましたので
お口直しにサッカーに関する表現についても少しご紹介しますね。
"He was sent off (the ground) right after the kickoff."
「彼はキックオフ直後に退場になった。」
退場は be sent off で表現できます。
文脈からわかりづらい場合とか、相手が理解してくれなかった場合には、
be sent off the ground まで言いましょう。
"I want to be a goalie when I grow up."
「大きくなったらキーパーになりたい。」
ゴールキーパーはgoalkeeperですが、口語ではgoalie(ゴーリー)と
言います。
"Italy won the penalty kick shootout 5-3."
「イタリアがPK戦を5−3で制した。」
PK戦はpenalty kick shootoutです。
5-3 は five to three と読んで下さい。
"Ortega dribbled through five players and wasted all his hard work
over the bar."
「オルテガはドリブルで5人抜きをしたが、むなしくもシュートはバーの
上を越えていった。」
wasteは「無駄にする」。せっかく5人抜きしたのに、シュートを外した
ことでそれを無駄にした、という文章です。
[あとがき]
今回、ヘッドバット事件を取り上げた理由の1つはタイムリーな英語表現を
お届けしたかったことですが、もう1つは、メディアによる同情/批判に一言
もの申したかったのです。
ジダンは母や姉を何度も侮辱されたために、頭突きで仕返しをしました。
もちろんスポーツですから、暴力は許されません。
ですが、ルールを守れなかったことの制裁がレッドカードによる退場であり、
(どうなったかわかりませんが)MVPが剥奪されたって仕方ないでしょう。
でも、批判とか同情に何の意味があるのでしょう?
世界でトップレベルのチームを率いて戦うためには、あのくらい激しい気性が
ないとダメでしょう。そしてそのパワーを昇華して、プレイに結びつけてこそ、
世界で戦えるのだと思います。
でも、殴ったりするのではなく、頭突きというところに、ジダンの人間味を
感じました。(笑)
#サッカー選手なだけに手を使うのが苦手なだけかもしれませんが