今日は美術館にいます。
とある絵が今、日本に来ているのです。
あれはアメリカに留学中のことでした。
夏休みにワシントンDCに行き、FBIを見た後、フィリップス・コレクションという美術館にふらっと立ち寄りました。
ゴッホやレンブラント、フェルメールなど、好きな画家の絵がたくさん見られたのですが、その中でも1枚の絵がとても気に入りました。
それがルノワールの名作、「舟遊びする人々の昼食(Luncheon of the Boating Party)」です。
しばらくその絵にただ見入ってしまう程の衝撃を受けました。
その名作が、日本に来ているのです。
7年ぶりに見ることができるのです。
この機会は絶対に逃せません。
友人と共に、ワクワクしながら順路に従って進んでいきます。
そして、しばらく先に人集り(ひとだかり)が!
"That must be it!"
(あれに違いない。)
周りの絵には目もくれず、足早にそこへ向かいます。
その絵を一目見た途端、息を呑むあなた。
少し遅れてたどり着いた友人。
"So, this is the Renoir. I didn't know it was this big."
(これがそのルノワールだね。こんな大きいなんて知らなかった。)
しかし、だまって立ちつくすあなたのことを見て心配そうにこう言います。
"Are you ... OK?"
(大丈夫?)
絵から受ける衝撃や、再開できた感動など、様々な感情が入り交じり、何といっていいかわかりません。
口から発することができたのは、たったのこれだけでした。
"I... I'm at a loss for words."
(言葉にならないよ・・・)
その後、人混みをかき分けて前の方まで進み、少なくとも30分はその絵に見入っていたのでした。
[因みに]
「舟遊びする人々の昼食(Luncheon of the Boating Party)」がどんな絵か知りたい場合はこちら。
→→舟遊びする人々の昼食
これはレプリカですが、いつか手に入れたいくらいです・・・
[解説]
ビジネス英語に慣れている方であれば、at a lossというイディオムは「損をして」という意味だと理解されているかもしれません。
lossという言葉には「損失」という意味がありますね。
でも、今回の使い方は少し違います。
at a lossで「困って、途方に暮れて」といったことを表します。
動詞形の lose(失う)を be lost と受け身で使うと「迷子」を表すことができますが、
「心が迷子になっている」状態を想像してください。
ほら、途方に暮れた感じがしますよね。
I don't know what to say.
という言い方もできますが、ちょっとひねったこういう言い方もかっこいい。
[用例]
Tom was feeling at a loss because he didn't know the man's name.
(男の名前がわからなかったので、トムは不安を感じていた。)
I'm at a loss what to do. I have no idea what he wants from me.
(どうすればいいかわからない。彼は一体私に何を求めているのだろうか。)
have no idea で「全くわからない」
I was utterly at a loss how to control myself.
(自分をどうコントロールしていいかわからず、非常に困っています。)
utterly は「完全に」
[もっと知りたい方は]
こちらのグーパス検索を参考にしてみてください。
"at a loss"
http://www.google.co.jp/search?as_q=&num=100&as_epq=at+a+loss
[あとがき]
本当は、今回のストーリーは去年のうちにお送りする予定でした。
実際に去年、日本に来ていたんです。
でも諸事情により出せませんでした。
もし、このルノワールが見たいという場合には。。。
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ワシントンDCへゴー!(爆)
もしくは、上のリンクのレプリカの画像で我慢して下さい。。。
ごめんなさい。。。
[あとがき2]
先日、初めてあった人に「おいくつですか?」と聞かれたので「いくつに見えますか?」と返しました。
#私は絶対こうやって返事するようにしています。
#因みに英語でもです。
#"How old are you?"に対しては"How old do I look?"と返します。
さて、返ってきた答えは・・・
「35歳。」
がーん。
まだ28なんですけど。。。_| ̄|○
[おまけ]
今回のストーリーでは at a loss 以外にもいろいろとポイントがありますので
説明の記事をアップしました。
→at a loss(英文法解説特別編)へ